こんなに芳醇な暗闇は初めてだ
ここまでバンドセットが続いていたが、ギターとPCのみ、1人でGREEN SIDE STAGEに立ったさらさ。暗闇に必要最低限の照明のなか、生のギターとトラックが合わさった楽曲達と落ち着いた歌声が会場を包み込む。その環境も相まって、何にも染まらず届いてくるさらさの音楽。芳醇な暗闇、紡がれる歌声。恐らく目当てはバンドであろう観衆も、静かに頭を揺らし、今日だからこそ出会えた彼女の音楽を味わう。
後半の「Amber」「祝福」を演奏する前に、この曲の持つメッセージなども丁寧に伝える。誰もが出会ってしまうネガティブな感情も別れの経験も、今後彼女の音楽を聴けば少し安らぐことを知ったはずだ。
Text by 遊津場
Photo by 定藤孝徳