ROTH BART BARON

ボロフェスタ2025
ボロフェスタ2025

ともに分かち合う、今この瞬間

満を持してボロフェスタ2025初日のトリとしてBIG RIGHT STAGEに登場したのはROTH BART BARON。
3年前にここで観た素晴らしい光景と、「次はこのカーテンを開けさせてみせる」という三船雅也(Vo&Gt)の言葉を僕はよく覚えていた。
そんな彼が最初に歌った最新リリース「Goodnight」で、早々に現れたステンドグラス。すべてが必然に思えた。

6人の奏でるサウンドは、ここで居合わせたことを慈しむように有機的に絡み合い、僕らはうっとりとその姿を見つめている。

三船の歌う言葉はこの世界を憂いたり、ふと見たくなかった自分の醜さと顔を合わせるようでもあって、とくに「赤と青」は、どうにもクリティカルなホールの両STAGE名も相まって、痛いほど象徴的に胸に響く。
でもカジュアルに遊ぶように僕らと戯れ、それでもなお希望を描こうとする彼らの姿が、どこまでもまばゆく輝いていた。

「ボロフェスタがずっと続くようにこの曲をみなさんに」と投げかけて歌ったのは「極彩 | I G L(S)」。
この光景を創ってきたのは、僕ら一人一人なんだと心から信じさせてくれるその力強さに目を潤ませながらも、胸には温かいものが灯っている。

最後にフロアの中央まで降りて「鳳と凰」を弾き語る三船越しに見えた、高らかに歌うみんなの表情。
僕らが描いた極彩色の光景が、今も目に焼きついて離れない。

Text by 阿部仁知
Photo by Mitzki(from Von-fire)