陶酔の渦に呑み込まれて
ExWHYZのパフォーマンスで会場が熱気に溢れる中、関西のクルー・VIO-SSSのDJがスタート。
〈みんなのきもち〉とともにレイヴを共催、さらには主催パーティー〈Gel〉を関西のみならず東京でも開催し、拠点を拡大しながら独自のレイヴ観を探求する彼ら。今回のDJはトランスを軸に陶酔と狂騒がフロアを呑み込むように展開されていった。
トランス特有の厚みのあるキックとベースによるうねりが身体に溶け込んでいくなか、プレイが進むにつれてアンビエンスな質感へとサウンドが深化していく。すでに30分以上経過しているが、いつの間にかビートが肉体と一体化し、ただその流れに身を委ねるしかなくなっていく。
レイヴィーな上物が炸裂したときには、精神が弾け飛ぶような解放感が訪れた。VIO-SSSのプレイには、クラブ・カルチャーへの深い愛情と、それを新たな時代へと更新していこうとする情熱が宿っていた。
Text by ナカムラ
Photo by 定藤 孝徳



