降之鳥、街の底STAGEから11月の空へ飛び立つ
河野圭吾(Vo)の挨拶とともに、1曲目「夢の中」から演奏をスタート。
マイクを手に取り、「おい街の底、調子はどうだ?」と観客へ語りかける。
2曲目「僕らは涙を流して」の曲中、「この一年で本当に色々無くなったんです」と、どこか寂しげな表情で河野は語る。
その姿は、自身の音楽に救いを求めるかのような切実さを帯びていた。
続く『幸福のすべて』では、山根慶祐(Dr)が鳴らす力強い音に、木村成(Ba)、岡田慶之(Gt)、竹内陸渡(Gt)の3人も呼応。
5人が一体となって楽曲を作り上げた。
河野の弓矢を天に放つような動きからスタートした「怪物」。
隣の人を大切にしたいという気持ちがこもった「となり」。
そして、下を向く人の背中を強く押す「11月 / November」で、降之鳥のステージは幕を下ろした。
最後に「この5人で降之鳥だ」と語ったのを体現するかのような、5人が全身で楽曲を表現した30分間だった。
Text by 尾関翔哉
Photo by 杉本 猛



