大きな愛で包む全肯定のススメ
ボロフェスタ2024、GREEN SIDE STAGEの開幕の号砲を鳴らしたのは、アメ村の切り込み隊長、愛はズボーンだ。大人の遊び場たるボロフェスタのムードと相性抜群なはっちゃけっぷりを誇る彼らのショータイムは、「MAJIME チャンネル」でキックオフ。ミラーボールが回る中で繰り返された「（生きてる）意味なんてないぜ」の一節は、一見ニヒリズム的にさえ思える。しかし気取ることなく全身全霊をぶつける4人の背中が伝えるのは、「だからこそ、今を全速力で生きなくてはならない」というメッセージであり、それは頑張れない憂鬱な1日を前向きに変えてくれる「ケミカルカルマ」や一聴で大合唱に加わることのできる人懐っこさを持つ「まさかのイマジネイション」にも通底しているものだ。
ライブ終盤に披露された「ひっぱられる」の曲間では、MCでの宣言通り、GIMA☆KENTA（Vo＆Gt）を先頭にした電車ごっこが展開されたり、GIMA☆KENTAを胴上げしたりと、思わず笑いが込み上げてくる光景のオンパレード。フロアに投下した風船がテーマパークさながらのファンタジックな質感を建設した名刺代わりの1曲「愛はズボーン」まで、フルスロットルで駆け抜けた35分間だった。
Text by 横堀つばさ
Photo by 昴(shohnophoto)
