伸びゆく声とアコースティックがもたらす高揚感
地球から2ミリ浮いてる人たちのパフォーマンスは、1曲目「風になって」のハミングから幕を開けた。フットライトの照明が、朝日のような温かさで4人を照らす。今日はサポートメンバーにほんちゃん(Dr)を迎えたアコースティックver.でのスペシャルセット。中野由季(Vo)のラストサビが近づくにつれ徐々に豊かになる表現に、コバタヨシタネ(Gt)がギターとコーラスで明るく応え、やまだゆらら(Ba)が落ち着いた演奏で屋台骨を支えていた。
「自転車にのって」の曲中、「私の歌を止めることはできない」と歌う中野。その言葉通り、どこまでも伸びていく歌声とアコースティックサウンドが、観客に高揚感をもたらす。彼女たちの音楽が生んだ浮遊感こそ、まさに“地球から2ミリ浮いている”感覚だったのかもしれない。

Text by 尾関翔哉
Photo by 浅井 里緒



