鳴らした音を故郷へ
BIG LEFT STAGEに登場したのは、奈良の3ピースロックバンド、LOSTAGEだ。
1曲目の「巡礼者たち」から、したたかで確かな存在感を放ち、ひとつの生命体のように息をする。五味岳久(Vo&Ba)と五味拓人(Gt)の声が重なるたび、その音楽に体温が宿る。ひとつひとつ言葉を確かめながら、身体全体を使って歌う五味(Vo&Ba)の歌声は、孤独を無理に埋めようとはしない。背後から差し込む光がじわりと目に刺さり、音はかすかな残響となって空間に溶けていく。

5曲目は、会場が真っ赤に染まった「SURRENDER」。ジリジリと張り詰めたギターとドラムがぶつかり合い、意識ごと引き込まれていく。

MCでは、今年のオフィシャルTシャツを手掛けた五味(Vo&Ba)がボロフェスタに対し、「どのフェスに呼ばれたら嬉しいかって言われたら、ボロフェスタかもしれない。今お前らやと言ってもらえたような気がする」と口にした。ここで鳴らした音を奈良の街へ持ち帰る。それがバンド冥利に尽きるのだと。


積み重ねてきたものを信じ、オルタナティヴを貫く姿勢は、観客の心のフックを引っ張った。憂いを帯びながら日々の小さな幸せをすくいあげて生きている。その姿が何よりも美しく、格好良かった。
Text by コニシミオ
Photo by Kazuki.Y



