地下に舞い降りた決意の叫び
秋雨がやみ、日も暮れだした11月午後、夕刻を告げるように降之鳥のステージが始まった。かえってきた山根慶祐（Dr）の力強く揺るぎのないドラムを囲み鳴らし合う姿が輝いている。1曲目は「11月/November」背中を押してくれるような強さのあるこの曲は、最高のステージのはじまりを感じさせた。2曲目は「シアメ」木村成（Ba）の噛み締めるような重みのあるベースプレイ、岡田慶之（Gt）、竹内陸渡（Gt）の勢いと音の詰まったリードギターに河野圭吾（Vo）の祈りのこもった歌が共鳴し響いた。続いては新曲を披露。メロディアスでアップテンポな曲中で岡田のギターが光る。続いて「僕の中で大切にしている曲があって、それを今からやります」という言葉と共に「幸福のすべて」がはじまった。歌詞が心にすっと入ってきて吸い込まれていくような感覚を覚えた。「鳩」と「憧れに別れを」は降之鳥の決意の叫びがフロアに集った一人一人の胸に突き刺さっていたように感じる。彼らの溢れる熱意と共に火力を増す降之鳥から一時も目を離せない。
Text by 山崎更紗
Photo by なかむらるか
