and more

ボロフェスタ2023
ボロフェスタ2023

荒れ狂う街の底

最終日もだんだん深まってきた午後。突如爆発的に激しいギターとシャウトで勢い全開に街の底STAGEをスタートさせたのは、静岡のハードコアパンクバンドand more。
ゴリゴリのD-Beatでありながらシンプルな曲調、シャウトをかき消すほどのギター、ベース、ドラムの轟音を浴びに、ワクワクした顔のオーディエンスがフロアに集まってきた。

容赦は一切ない。憑かれたかのように狂気的なギターリフと、激しいストロークで街の底を揺らすベース、一音一音ずしんと重く体に響くドラム。
さらにはシンバルを素手で殴り、天井にマイクスタンドを突き立てる。
曲感はハードコアでありながらも甲高いシャウトを放つモリカワ(Vo)の暴れっぷりに、オーディエンスの目もくぎ付けだが、むしろそれが通常運転。
爆音が、雑音たちの群衆が、息をつく間もなく駆け抜けていく。

耳をつんざく歪みが鳴り響く中、フルフェイスのトゲトゲマスクを身につけたモリカワが赤い照明に照らされる、そんな状況のなか踊るフロア。
狂気的な演奏で地下から地響きをあげるその様子は、まるで怪しい集会のようであった。

例に漏れず終始大暴れのフロアだ。暴れている中でひと際ぶちあがっていたのはLimited Express (has gone?)で演奏を控えるYUKARI。最前で両手を上に広げ、全力で音を浴びる。
他にも出演アーティストやボロフェスタスタッフの姿も多くみられたand moreのステージ。35分の持ち時間をなんと15分巻きの20分で終える。
ノンストップで鳴らし切り、フロアの名残惜しそうな歓声を背に3人はステージを後にした。

Text by 大井優

Photo by 吉田結衣