ロマンティックに、ドラマティックに
最終日、街の底STAGEのトップを飾るのは、ボロフェスタ主宰メンバーのひとり、オカムラヒロコ（Key）率いる４人編成のインストゥルメンタル・バンド、TOKIMEKI☆JAMBOJAMBOだ。
早めに板につくメンバーを見たParty Navigator MC土龍は和やかなムードで「ほなやろか」とスタートの合図を送り、1曲目「Nina」が始まる。
メロディアスなギターに先行し、間奏ではオカムラのエモーショナルな旋律が鳴る。それに呼応するように、ギターが歪みまくる。
美しいメロディーと共に、2曲目「アルゲンタヴィス」。
何千年前に生息していた大型の鳥を意味する曲名の通り、大きな鳥が空を優雅に旋回するような情景が自然と浮かぶ。
リズミカルなギターリフに合わせてメンバーが楽しそうに乗りまくる。音楽に言葉はいらないという事をひしひしと感じた。
続いて「Europe」では、キーボードの滑らかに序盤に始まり、ドラムが重なる。
不規則なベースリフにも関わらず、一体感を織りなすステージングは圧巻だった。
メンバーが何度も顔合わせながら、激しくなる後半、フロアも熱を増し自然と拳が上がった。
ハヤシ・トト(Ba)が「暑いよ」と笑いながら一言。
「疲れてないですか？、なんかある？」とメンバーに投げかける。
オカムラ(Key)からは、「街の底からグツグツとマグマを起こそう」「よっしゃ行くでー！」と盛り上げ、4曲目の「jalopy rendez-vous」へ。
踊るようなキーボードのメロディーに重低音が響き、岩井ブロンソン(Dr)は、汗を流しながらビートを刻む。
オカムラ(Key)から「明日のことなんか考えずに楽しんで！」とラストのMCがあり、5曲目「夢見るカララ」に。
ゆったりとした曲調から、繰り出すギターフレーズに、観客の頭が揺れる。一転して速くなるBPMに合わせ、フロアの熱は最高潮！
一気にラスト、駆け抜ける疾走感にフロアも置いてかれぬようにと、縦横無尽に揺れ続ける。
複雑な変拍子を笑顔で合わせるメンバーは、この時間を誰よりも1番に楽しんでいる事が伝わった。
マグマのように暑い街の底の、30分はあっという間に終わりを告げた。
Text by 堀士直輝
Photo by コマツトシオ
