昼の終わり、夜の幕開け。
2023年9月23日、〈SACRA MUSIC〉よりメジャー・デビューを果たしたSawa Angstrom。まさに“今見ておきたいアーティスト”ではないだろうか。
ボロフェスタ2023のオフィシャル・グッズのモデルも務めてくれたSawa Angstromが、2日目の夕方、どすこいSTAGEに登場した。
実は、吉岡哲志と児玉真吏奈は1日目KENT VALLEYのステージでシンセサイザーをプレイしていたし、児玉真吏奈はソロとしてナノボロ2022にも出演している。
メンバー全員が独立したミュージシャンとして活躍しているからこそ、ボロフェスタとの関わり方が三者三様だ。
彼らの音楽は、様々な音が混在するエレクトロニック・スタイルが特徴。
エフェクターを駆使し、ステージ上で音楽が構築され生成されていく。
シームレスに繋がりながらも徐々に様変わりしていく音楽は、季節のうつろいを連想させるようだった。
児玉真吏奈の声のイメージから、春の雨のような豊かで温かなサウンドの印象を持ったが、時には混濁として荒々しい天災のようなスリリングな一面もあった。
どちらにしても、気づいたら体は揺れ、踊らされていた。
まるで1本の映画を見た後のような、一貫した世界観と壮大なサウンド。
夕方のどすこいSTAGEを昼から夜にチューニングする、架け橋のような時間だった。
Text by 奥野ひかり
Photo by 横矢和佳
