いつまでも覚えてるよ、こんな最高な夜のこと
ボロフェスタ2日目も半分が経過した16時過ぎの街の底STAGE。京都の4人組ロックバンド、Brown Basketが初登場にして満員のフロアである。
京都の先輩である10-FEETのTシャツに身を包んだ岸本和憲（Vo&Gt）が「ボロフェスタ見に来てくれてありがとう！俺らが今日1番パンクやる！」と叫んでスタートした1曲目は「BY MY SIDE」。1曲目とは思えないほどのシンガロングが生まれ、両腕を掲げる人も多く見られるなど、早くもフルスロットルだ。
流れ込むように「もうひと頑張り」へ。スズキセイヤ（Dr）のパワフルなドラムにつられて、「堪えられない」というように激しくジャンプするオーディエンスも。北川陸（Ba）がステージギリギリまで前に飛び出し、満面の笑みを見せていたのも印象的だった。
「土龍さんから、音楽はストリートだけじゃないって教わった」と話す岸本。跳ねるようなリズムが特徴的なダンスチューン「wave」を披露すると、弾き語りから人気曲「こころのこり」を演奏する。「相性」と「愛情」、「愛対you」と「会いたい理由」、軽やかで小気味の良い韻の中、確かに刻まれている、いなくなってしまった人への恋心。続いて放たれた「グッバイワンルーム」でも、好きだった人との生活がありありと浮かぶ歌詞に、胸の奥がキュッと締め付けられる。
ラストスパートは、合唱、合唱、合唱の嵐。岸本、omochi trip（Gt）、北川、スズキだけではなく、観客もボーカルかのように声を上げる。ショートチューン「世界の中で君だけに」を追加し締めくくったライヴ後のフロアは、間違いなくライブハウスの熱を帯びていた。
岸本は「また来年会いましょう。」と繰り返し話していた。4人が常日頃戦っている京都のライヴハウスで、そしてKBSホールでまた会える日が、もう待ちきれない。
Text by 横堀つばさ
Photo by ウチダミサキ
