眠れない夜も、彼らの音楽で踊りたい。
ついにボロフェスタに、京都に、NIKO NIKO TAN TANがやってきた…！
アンプ上のNIKO NIKO TAN TANネオンが輝き、ステージ全体も赤いライティングで照らされる中、「Jurassic」 からライヴは始まる。早速全身を使ってクラップを求めるOCHAN（Vo&Syn＆etc）に呼応し、初っ端から両腕を上下に振るフロア。どちらも準備万端なようだ。「おっけーい！ 」とすぐに「WONDER」、そして「パラサイト」へと自然な流れで繋げる。OCHANは左手で鍵盤を操りながら右手でマイクを持ち、「レッツゴー！」と指差した先ではAnabebe（Dr）の頭を振り回しながらのプレイも炸裂。さらに、「こいよ？ 」と言っているかのような手招きでフロアを煽り、彼ら自身も自らが創り出す音に没入しながら音楽を楽しんでいる。
「京都の皆さんこんにちは！ 」
MCにて、「初めての京都のライヴに呼んでもらえてとても光栄だ」とOCHANは嬉々として語る。
紫の光の下、危うくムーディな雰囲気が創り出され、「可可」そして「琥珀」と眠れない夜に聴きたくなるような気怠げな雰囲気の曲が続く。「夜に紛れて何処へ行こう」「あてもなく夜をあかして」こんなフレーズが彼らのクリエイティヴな音にのって耳に届いてくる。音源も素晴らしいのだが、生のライヴを観た人は皆彼らの中毒性の虜となることだろう、と言えるほど独自の世界観を築き上げている。
フロアには外国人のお客さんの姿もちらほら見られる。今年の夏も〈FUJI ROCK FESTIVAL ’23〉に出演し、ワールド・ワイドに活躍の場を広げているNIKO NIKO TAN TAN。今後の更なる活躍から目が離せないな、と感じていると、それまでの雰囲気とは一転し、KBSホールはダンス・フロアに一変。ラスト曲「同級生」まで、ここはクラブだ、というかのようにお客さんは皆思い思いに踊り、ステージ上の2人も音を自在に操っている。メンバーのみで楽曲やMVを製作するクリエイティブ・ミクスチャー・ユニットとして活動している彼ら。本日VJはなかったのだが、映像がなくても、彼らが繰り出す音の魅力・カオスな中毒性を体感するには十分すぎた35分間であった。
Text by キムラアカネ
Photo by ウチダミサキ
