きのホ。

ボロフェスタ2023
ボロフェスタ2023

まず京よりはじめよ!

クリトリック・リスが「俺はドルオタ」を歌い終えた流れで、京都のアイドルきのホ。へ汗のついたバトンを渡す。
漢臭かった場内にもサイリウムが咲いて、かわいい全身全霊アイドルが始まるんだと期待感が高まる。

2023年2月、ここKBSホールで彼女たちは自身の主催フェス〈ホ。フェス〉を開催した。
ここでは、メンバーたちのクリエイティビティが大爆発し、実際に5人の共同京都生活を送っている彼女たち目線の京都が詰まっている会場だった。お客さんも彼女たちの表現する一日を全力で楽しみ大成功を収めた。

昨年度のボロフェスタではKBSホールの玄関であるどすこいステージに立っていたが、2月の実績もあり今年はボロフェスタの2日目、GREEN SIDE STAGEに登場だ。
ボロフェスタにさらにブーストをかけるために、なんと生バンドで登場!
シンガーソングライターのハンサムケンヤ、ギターに浪漫革命の後藤潤一、ベースにシチロメグミ、THE MICETEETHの藤井学がキーボード、ドラムにsenoo rickyを迎えた“The京都”な面々である。

「スタートライン」で観客に向けて雷管ピストルをぶっ放し、熱気もムンムンになってきたところでライヴアッパーチューンの「反面教師」だ。
会場をさらにひとつにするため小清水美里が、スーパーマリオのゴールポールステージと共に移動する。
小清水のメンバーカラーがオレンジだからなのか、単純な色の一致以外にもポップなキュートさはデイジー姫に見える。

ヲタクたちのジャンプ力はついにマリオ並みになった。POWブロックを叩きつけ会場中を揺らす。

生バンドだからこそのドラムカウント入りをした「夜の庵」。
ステージ背景の鯉の看板とマッチし、御守ミコはいつにも増して凛として見え、笑顔も弾け飛んでいる。

今のきのホ。の衣装は甲冑のようで威厳ある武将のようだが、背中には京都の寺を思わせる円窓のようなスリッドが空いており“カワイイキョウト”を思わせる。
京都という場所は“なんか良い街”なのである。
“なんか良い街”の抽象さを必死で具体的に伝えようと奮闘しているきのホ。をまだまだ騎馬戦のごとく追いかけたい。

Text by 小池迪代

Photo by コマツトシオ