DYGL - ボロフェスタクイックレポート

アウトロの最後の一音まで、余すことなく“かっこいい”

国内外問わず多くのロック好きを魅了するDYGLがボロフェスタについに登場。
きのホ。、ASPと華やかな女性アーティストの後に、DYGLのようなラウドなギター・ロックが出てくると、会場の空気はまさに“一変”する。

「みなさんこんにちはDYGLです。ボロフェスタ初出場です。よろしくお願いします」という秋山信樹(Vo&Gt)の第一声から、1曲目「Waves」がスタート。
歌い上げるような下中洋介(Gt)のギターソロに聞き入っていると、
秋山のざらついた歌声にコーラスが重なり、加地洋太朗(Ba)のベースの分厚い音が客席に押し寄せてくる。
アウトロの最後の一音まで、余すことなく“かっこいい”。もう、この一言に尽きる。
ますます表現の幅・グラデーションが広がっているDYGLのライヴに1曲目から観客の反応はかなり良い。

2曲目に最新リリース・シングルの「Acervation」を披露すると、「新曲4曲やります」という秋山の宣言に客席からは歓声が上がり、リリース前の新曲をガンガン披露していく。

うなるような分厚い音からはじまる曲もあれば、突然狂ったようにかき混ざるサウンド、
ベース・ドラムのリズムにハウリングしたギターが乗り込んでくるようなミドル・テンポの曲など、気持ちの良い音楽が続いていく。
曲ごとにカラーが違うだけでなく、一曲の中にも緩急があることに驚かされ、あっという間に時間が過ぎていった。
ボロフェスタの帰り道に聴き返したいのに、まだ聴けないのがもどかしい。

DYGLは昨年出演予定だったが、コロナによる影響で出演を断念しており、前述の通り今回が初出演。
MCでは、「リベンジできて嬉しいです。忍耐強く誘ってくれてありがとうございます」とボロフェスタに感謝を伝えると共に、ボロフェスタがおこなっているウクライナ支援の活動にも触れ、「自分たちの周りの人・物を大切にすることはもちろん、遠くの人々・物事にも関心を持ちできる範囲で行動することが当たり前になればいいよね」というメッセージを送った。
グローバルに活躍する彼らもつ説得力のようなものが、言葉や音楽にも感じられるようなステージングだった。