おかえりyonawo。また会いましょう。
2年ぶりにyonawoがボロフェスタのORANGE SIDE STAGEに帰ったきた。
1曲目は「After Party」。
音源でしか聴いたことのない人は、ライヴでの空間ごと震わせにきているような重厚感のある田中慧（Ba）の音に驚くのではないだろうか。そして、そんな重厚感なんて微塵も感じさせない荒谷翔大（Vo）の軽やかな歌声と、斉藤雄哉（Gt）のギター・サウンドのコントラストが気持ちよくて仕方がない。
シンプルなピアノとギターのメロディから始まる「randez-vous」は、一瞬の間に音が重なり厚みが増し、ゆったりとした野元喬文（Dr）のドラムのリズムや、アウトロの音の重なりが美しい。
MCでは、「会場暑いけど大丈夫？でも外は寒いけんね」と観客と会話するような場面もあった。ボロフェスタはステージと観客の距離が近いのだが、yonawoの作り出す空気はアットホームで、物理的にも心理的にも距離が近いように感じられた。
ニコニコと歌い、会話し、見つめる荒谷の姿がこちらにも伝染するようで、その後も1曲ずつ丁寧に奏でられていく楽曲に自然と体が揺れてしまう。
「tokyo」では荒谷がラップパートをごきげんに歌い上げ、観客の手拍子が合わさると会場の一体感はさらに増していった。
ラストは「また帰って来れるようにがんばります。yonawoでした」と伝え、
「蒲公英」で締めくくった。
yonawoの音楽は気負うところがない。どんな場所で聴いても、その場所をくつろげる空間にしてしまうから不思議だ。週末に食べるちょっと高いアイスクリームのような、日常にある幸福感。
12月からスタートする「yonawo tour 2023」では、大阪でのライヴを予定している。また京都でyonawoの音楽を聴ける日が来るように、ただただ願っている。
Text by 奥野ひかり
Photo by 横矢和佳
