Base Ball Bear

ボロフェスタ2023
ボロフェスタ2023

夏の延長戦

ボロフェスタ初登場のBase Ball Bear。リハーサルの時点で温かい拍手が起こっていた。

本番が始まると、まず堀之内大介(Dr&Cho)がステージを歩き上着を脱いで半袖になり、やる気満々といった様子。
小出祐介(Vo&Gt)、関根史織(Ba&Cho)が堀之内のほうを向き、ライヴが始まる。「17才」だと気付いた客が手拍子を合わせていく。ステージは黄と青のライトに染まる。
蒸されるような暑さの夏の京都は勘弁だけれど、ベボベが連れてくるこんな爽やかな夏なら大歓迎だ。

続く「海になりたい part.3」では間奏で関根が大きく左右に動き、KBSホールの熱を上げていく。

「どうもこんにちは。Base Ball Bearです!ボロフェスはじめて呼んでいただきました。ありがとう」と小出は感謝を伝えた。
「手作り感がいいですね。僕ら文化祭で結成したバンド。おじさん中堅バンドなんですが若手の感じを出そうとしている」と話すと客も笑顔になった。
「暑いか涼しいか分からない気温感。文化祭思い出しません?」「体育館でやってたんだけどそういうライヴになるんですか?」「青春に繋がるんですか?」と語尾に?を連発し、それに対して「何なん」とつっこむ堀之内。
ゆるい雰囲気のMCから、「がんばりましょうか」「繋がりましょうか」と小出。
「甘酸っぱいわれわれの代表曲です」と呟くと「short hair」へ。“ぼく”と“きみ”、“あの日”の“すべて”。狭い教室が社会のすべてだったころ、私たちはBase Ball Bearを聴いていた。そしていまも聴き続けている。

4曲目には2024年公開予定の映画主題歌になっている「Endless Etude」。エフェクターを効果的に使用しており、特徴的なコードが繰り返される。ベボベの新しい一面が垣間見えた最新曲で、縦ノリ・横ノリどちらも内包した中毒的リズムだ。
次の「The Cut」では小出のラップでフロアがダンスホールのようになり、客は自由にノリまくる。
「Stairway Generation」で関根が前に出て、堀之内は汗を飛ばしながらビートを刻む。
「あがるしかないようだ stairway」(“Stairway Generation”の歌詞より)と全力で小出が歌えば、関根はスピーカー横まで出て掻き鳴らした。

最後に「ありがとうございました、Base Ball Bearでした!」と小出がさよならを告げると、客から手拍子を受けながら「BREEEEZE GIRL」へ。

この日初めてステージの後ろの布が開かれ、ステンドグラスが光り輝いた。アウトロでは小出が後ろのステンドグラスを何度も振り返っていた。
「どうもありがとう!Base Ball Bearでした!」と3人の笑顔が弾け、堀之内はドラムセットの上に立ち上がり、スティックを振り下ろした。
「このあとも楽しんでください!」と最後までボロフェスタのORANGE SIDE STAGEを盛り上げ、次のバンドへと繋いだ。

Text by 松下愛

Photo by ウチダミサキ