次の年号までポップでいよう
キュキュっとした華やかさを纏いながら登場したアマイワナ。
「撮影OK」の電光掲示板を掲げ、どこを切り取ってもつぶつぶとした可愛さにあふれる。
今年どすこいステージに飾られたカタカナ“ドスコイ”の看板が彼女のレトロ感をより引き立たせる。スマホの縦型写真にピッタリフィットする装飾である。
昭和のCMのような口上ではじまった「I’m CRAZY」。
ピストル型のスライドバーをエレキギターに当てる姿はまるで『ヤッターマン』のドロンジョ様のようだ。
ステージからアマイワナとサポートギターのアツムワンダフルが降りてきて、テクノミュージックに合わせて踊り、オーディエンスを盛り上げる。
盛り上がったところに波乗りソングである「上海逢引」。ギターソロが花椒(ホアジャオ)のようでスパイスが効いていた。
アマイワナが“The 昭和”なグリーンの重たい受話器を取り国際電話をかけると、日本にはいないという設定のGinger Rootがベースで登場。彼と共作したという「チョコレートレモネード」でオーディエンスにシロップがかかった。
ラスト1曲の前に、ニューアルバム『SWEET SWEET SWEET』のリリースツアーのミニフライヤーが配られる。
ステージ前から観客の後ろまで紙を回す配り方は学校のプリント配りのようで、人との繋がりを感じ懐かしさからワクワクした。
2000年1月1日生まれの彼女が織りなす昭和を感じさせるレトロなミュージックやパフォーマンスだからこそ、平成時代を全身全霊で駆け抜けてきたことを感じさせた。
ほんの少しだけ不景気な令和にこれほどまでに輝いた音楽があることを踏みしめて、楽しく次の年号まで生きていたい。
Text by 小池迪代
Photo by shohnophoto