Superfriends

ボロフェスタ2023
ボロフェスタ2023

18年の月日と重なった私の記憶

外はすっかり陽も落ちて18時を迎える。月の光も届かない街の底STAGEにはSuperfriendsが登場。谷(Ba)は、14時前のKENT VALLEYに続き本日2度目の出演となった。今日はサックスに山本夜更、ギターに大橋翔司を迎えた5人編成。

サックスと塩原(Vo&Gt)がユニゾンすることによって、音源とは違った表情を見せた「Let go」からライヴはスタート。青と赤色の照明が、夕方と夜の境界にいた地上の時間の流れを想像させる。
前田(Dr)がビートを刻む中、「1・2・3・4!」のカウントから始まった「My Donna」では、大橋、山本がそれぞれソロを披露。ボルテージも高まり、オーディエンスの体も大きく揺れている。

塩原がカポタストを取ってくるという“演出上”のトラブルもありながら、谷が活動18年目にして初めてのボロフェスタ出演であることを語る。語りの後、演奏されたのが「Million miles apart」だ。18年間の月日が、100万マイルという途方もない距離と重なり、そして自身の郷里や過去の追憶と重なっていく。観客の多くがうなづいたり、目をつぶっていたりしていたことも印象的だった。

ライヴ終盤を締めくくった「Because of you」、「1994」では、演奏が鳴り始めた瞬間に歓声が上がった。口ずさみ、シンガロングが起き、記録に収める人が見られたこと、それはSuperfriendsの楽曲が1度聴いたら脳内でリピートしたくなるものであると同時に、深く愛されていることの証明だ。

塩原はボロフェスタのことを「フェスでありながら、学園祭のようで、地域のお祭りのようで、寛容な雰囲気」と評していた。しかし間違いなく、Superfriendsはその雰囲気を作り出している一因だった。

Text by 横堀つばさ

Photo by ウチダミサキ