でんぱ組.inc

ボロフェスタ2021
ボロフェスタ2021

これからも夢を見せてくれ! でんぱ組.inc

これは、でんぱ組.incの出番を迎えた14時30分、より少し前の話。
色とりどりのペンライトが光る会場から笑い声が上がった。みんなスクリーンを見て笑っているので見上げると、そこには 『#ボロフェスタ20周年おめでとう』のハッシュタグが付いたでんぱファンのツイートがたくさん映し出されていた。

『でんぱ組.inc楽しみ!』『配信でも見てるよー!』といったツイートを見たメンバーからは「あー嬉しい!」といった声がいくつも上がった。
でんぱ組.incにとって久しぶりの遠征となったボロフェスタのステージ。もしメンバーが緊張していたとしたら、会場、配信画面の前のファンのコメントを見て、きっとほぐれたはずだろう。

ファンの想いが後押しし、SEと共に満を持して登場。昨年メンバーが5名増え10人体制となり、披露する曲・ダンスに奥行きが増えパワーアップをした。
今回のステージは古川未鈴、根本凪が不在、相沢梨紗が足の怪我で歌唱での参加となり、7名がステージで踊るのだが、今回も最高を更新してくれた。

特徴的な振付けが目立つ“でんぱれーどJAPAN”、“でんぱーりーナイト”、“ちゅるりちゅるりら”、“千秋万歳!電波一座!”が披露される。
天沢璃人の空中2回キック、愛川こずえのキレのあるダンス、空野青空のプロポーズ困惑姿、鹿目凛の縄跳びダンス……など上げたらキリがないほど、メンバーが増えたことで振付はよりダイナミックに、そして繊細な振付となっており、鳥肌が立った。他のライヴ会場より近い距離にメンバーがいるため、声の出せない最前列のファンは大歓喜。後方にいるファンにも手を振ったりと会場全体を盛り上げた。

“あした地球がこなごなになっても”では、落ちサビパートを小鳩りあ→相沢→天沢で繋ぐのだが、彼女たちの甘く切なく、でもはっきりとした声に涙ぐむファンを見た。
随所で見られた高咲陽菜の元気っぷりと藤咲彩音の落ち着きが頼もしく、メンバーが不完全な状態でも良いものができあがった理由はここにあると筆者は感じる。これでメンバーが揃い完全な状態になったらどうなるのだろうか。考えただけでもワクワクする。

彼女たちは今年メジャーデビュー10周年を迎える。それを記念して来月デジタルリリースされる“Future Diver”を最後に披露。でんぱ組.incの楽曲のなかでも定番であるこの曲は、現メンバーによって改めてレコーディングされ、再びミックスが施された“10th anniversary ver.”として生まれ変わる。

ボロフェスタの20周年、メジャーデビュー10周年。大事な節目はいつもでんぱ組.incがここにいる。
また10年後に「夢で終わらんよ!」とステージで歌ってくれる姿を期待したい。

Photo by shohnophoto
Text by けんてい