つまりは、踊って楽しんでなんぼ! である。
〈ボロフェスタ2022〉では、地下・街の底ステージで強烈な爪痕を残し、ボロフェスタに新しい風を吹かせたのも記憶に新しい。今年は満を持してGREEN SIDE STAGEに大所帯で登場だ。「マリオとキノピオに大きな拍手をー! このパーティ最後まで盛り上げていきましょう! 」と“from 宵侍”Naotaka Oseは彼らの出番直前に突如起こったボロフェスタ名物・よくわからないゲリラ的演出”スーパーマリオモッシュ”にも触れ、ライヴはスタート。「俺らは空を飛ぶ! 」と一緒に叫びながら、フロア前方はすでに踊り狂っている。「KSHC in da house」ではコールアンドレスポンスを重ね、会場はさらに大盛り上がりだ。
「ローカルでやってて2年目です! KANG SIGH HYPER CREWはグループであってグループではなくて、それぞれソロでも活動している」とMCでも話し、クルーでありつつ〈ボロフェスタ2023〉この後深夜帯のパーティ・メトロの部に出演するT.M.P、明日11/5のどすこいステージ出演のPINKBLESSにも触れる。「BALANCE」では新加入したクルーひめか・AYAKAのGAL陣2人の声が印象的に響き、続く「Virtual Air Rider」ではギターの音も加わり、メンバーも腕を上下に、縦に、フリフリして揃った動きを見せる。そして、メンバーもフロアに降りてきてモッシュ!
「Mirror balls」そして「Blue Vibes」と踊れるキラー・チューンを続けて終盤繰り出し、気づけば筆者も、最前列で彼らの音に踊り狂い、モッシュをし、大汗をかいて楽しみ尽くしていた。そして何より、ステージ上の彼らもフロアのお客さんも汗をかきながらも笑顔が弾けているのが最高だ。KANG SIGH HYPER CREWの音楽は、確実に、目の前の人たちに真っ直ぐ届いている。
「もっと暴れよう! ボロフェス! 」と最初から最後までフロアを巻き込み続け、今年も大きな渦を巻き起こしてくれた。ボロフェスタのカメラマンをステージ上に担がせて一緒に踊ったり、今この瞬間の“楽しい”を創り出せるクルーたちである。そして、彼らはただ踊らせるだけではなく、「生きてるってなんだろ? 生きてるってなあに? 」と問いかけ、「失敗しても大丈夫!」と力強く拳を掲げる。楽しそうにピースする同世代の若者たちの頼もしい姿を観て、なんだか感動してしまった。
ライヴはアツく最高に楽しければいいのだ! そこにメッセージ性も加われば最強である。つまり、その両面を兼ね備えている彼らの音楽で踊れば、楽しいを超えた感情に出会えるだろう。あなたにも是非、自分の体で、耳で、目で、感じてみてほしい。
Text by キムラアカネ
Photo by コマツトシオ