4年ぶりのホールで魅せた圧巻のパフォーマンス
続いてGREEN SIDE STAGEに登場したのは、北海道・苫小牧市を中心に活動するNOT WONKだ。
「the place where nothing’s ever born」で、早速、音色の重なりの美しさに酔いしれていると、徐々にボリュームが上がって見事な繋ぎで2曲目の「Not All」へ。加藤修平（Vo&Gt）の魂の籠った力強くも伸びやかな歌声がホールを包み込み、終盤に向けてギターのストロークも壮大になり、1曲目とはまた違った表情をみせる。
そして、まさに爆発的なリフで始まった 「slow burning」、リズミカルな裏拍にのせて演奏され始めた「Down the Valley」と、ボーカルの緩急に合わせ、フジ（Ba）と
アキム（Dr）も髪を振り乱しながらパワフルにプレイ。後半にかけてさらに畳み掛けるように加速していき、ただただ圧巻のステージから目が離せない。
MCで〈ボロフェスタ2019〉ぶりの出演となることにも触れ、「4年前、KBSホールのステージは代打だったから、今日ここでちゃんと演奏できているのがすごく嬉しい。すごく楽しいからまた来たいな。また来てくださいね？ 」と加藤はチャーミングな笑顔も覗かせ、先程までの演奏とのギャップにも驚く。
ドラムのカウントから始まった「dimensions」では深いリズムとギターのミュート音、愚直に真っ直ぐな長めの間奏。そして、ラストの「I Won’t cry」ではずしりと響くベースの低音と畳み掛けるようなスピード・アップを先導するドラムが土台となって、加藤が繰り広げる声を際立たせている。彼らの高度な技術と、声と楽器で空間そのものを操る様はまさに表現者そのものだった。各曲で発散することで、逆にパワーを溜めて、溜めて…そしてついにラスト大爆発へ向かっていく…そんな一本の表現物を目撃してしまったかのような衝撃を受けた圧巻のステージだった。
Photo by shohnophoto
Text by キムラアカネ
