バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI

ボロフェスタ2023
ボロフェスタ2023

自分らしく

リハーサルの時点ですでに「可愛い~!」の声が四方から聞こえる。登場したのはバンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI。鈴姫みさこ、恋汐りんご、ななせぐみ、望月みゆ、甘夏ゆず、大桃子サンライズによる6人組ポストアイドル通称バンもん!は2011年に結成され今年11周年目。現在47都道府県ツアー中で、すでに45都道府県を回っている。

今回がボロフェスタ初出演。アイドルと一括りにすることなかれ。真ん中にはドラム、サイドにはギターとベース、キーボード。“バンドじゃないもん”と言いつつ、楽曲、ステージ演奏の完成度は言うまでもない。
前方にはペンライトを持ったファンたち。1曲目の「キメマスター!」からもうすでに掛け声もばっちり。ファンとの呼吸もぴったりだ。みゆちぃのベースソロに歓声も上がる。
そして神聖かまってちゃんでもドラマーとして活躍するみさこ。ファン一人一人に届けるような芯のある音とキレキレのビートを刻む。

2曲目の「SARABADANCE」ではメンバーがダンスをレクチャーし、ともに踊るパートも。真ん中に置いたドラムが存在感を放ちながらも、それを囲んで踊り、弾き鳴らすメンバー。観客の目を飽きさせない。

「そーにゃん節」では皆が一度は踊ったことや聞いたことがあるであろうソーラン節をかわいらしく猫のポーズと融合させたダンスで、誰でも踊れ、かつ見ていて癒されるパフォーマンス。

中盤のMCでは、みさこ、ちゃんもも、ぐみてゃん、みゆちぃ、ゆずポン、汐りんの順でメンバー紹介。それぞれの自己紹介にファンも沸く。
ずっとボロフェスタに出たかったという6人。
「歌を聞くというよりもみんなで盛り上がろうよという曲が多いので、真似して踊ってもらうのも大歓迎ですし、好きに楽しんでください」
とハッピーなエネルギーでいっぱいにしてくれるバンもん。

初めて観ると手を挙げた観客も多いが、魅力的な笑顔とアイコンタクトで一層「可愛い〜!」の声が響く。一気にフロアをものにした。

「タカトコタン-forever-」ではフロア中央で小さなサークルモッシュも。メンバーの煽りで観客はコールアンドレスポンスで答える。ステージからもフロアからも全力で盛り上げ、ホール内が熱気に包まれた。

「みんなの人生に少しでも関わって背中を押せればなと思います」と話すちゃんもも。
最後の曲は「Q.人生それでいいのかい」だ。
彼女たちの「どうせ苦しんで生きるんだったら自分らしく生きてほしいなって思います」という言葉がずっと心に残っている。全力で鳴らし、歌い、踊るステージに間違いなく背中を押された。

Text by 大井優

Photo by リン