どうかこの夜をこのまま
Club METROのスタッフでもあるShunpuriがMETROの最後を締めくくった。
T.M.Pが創り出した熱を留めながら、ゆったりとしたテンポの盤が回され始める。
目を閉じて踊り続ける人や椅子に腰掛けて眠る人、お酒を片手に語り合う人、音楽がまさしく”通奏低音”として流れながらもそれぞれがそれぞれの時間を過ごすMETROでの最後の数十分は、パーティとしか言いようがなかった。
開幕した時には長いと思っていた夜も、気づけばあっという間に過ぎ去った。わずかに残された砂時計の砂が落ちきるまでの時間を、Shunpuriがセレクトしたファンクやジャズを中心とした楽曲たちと共にする。早朝5時、音が止まる瞬間はどこか寂しさを感じさせ、来年の再会を心に誓う。
夜を閉じ込めていたMETROから地上に上がれば朝が広がっている。私たちの特別な祭りが、特別な夜が終わり、ボロフェスタ2023の最終日が幕をあけるまであと約6時間。明日はどんな出会いが、ドラマが、音楽が待っているのか、想像しながら少し眠ろう。
Text by 横堀つばさ
Photo by shohnophoto