夜の本気ダンス

ボロフェスタ2023
ボロフェスタ2023

ラブ&ダンス from 京都

お馴染みの登場SEが場内に響き、GREEN SIDE STAGEに夜の本気ダンスが登場。地元京都のバンドで今回が4年ぶりの出演だ。米田貴紀(Vo&Gt)のトレードマークのストライプは今日はオレンジ。「踊れる準備はできてますか京都!」と叫ぶと、始まったのは夜ダンの代表的なロック・チューン「WHERE?」だ。会場に爆発的な熱をいきなり生み出した。「Where is?」のコールアンドレスポンスとともに、マイケル(Ba)は手拍子で「踊れボロフェス!!」と煽る。

「ラブラブしようぜラブコネクション!」と米田が叫び、2曲目「LOVE CONNECTION」でさらにフロアを掌握していく。続く3曲目は「fuckin’ so tired」だ。この曲のライヴでの弾け方は尋常ではない。曲が始まった瞬間米田のシャツがスキニーから飛び出し、オーディエンスのバッグから物が落ち、私のメモも何を書いているかわからなくなった、と書けば伝わるだろうか。さらに、「Day by day,day by day」(“審美眼”の歌詞より)のメロディーに合わせてマイケルが飛びはね、鈴鹿秋斗(Dr)もエネルギッシュなドラムで応酬をする。煌びやかなイメージのある審美眼の曲に合わせ、赤に青に緑に、色とりどりのライトが4人のステージを照らしていた。

MCに入ると、「楽しんでますねー!こちらこそ楽しんでます。ボロフェスタに呼んでくれてありがとうございます、もう1回ボロフェスタに大きな拍手!そして34歳オレに拍手!」とMCで会場を盛り上げた。昨日誕生日を迎えた鈴鹿へ向け「ハッピーバースデー」がフロアから沸き起こる。「そういうのやめて」とマイケルの冷静沈着なつっこみや、「お前だけ誕生日プレゼント持ってこんやったやんけ」と鈴鹿の反論は日頃からのメンバーの仲の良さを見せつける。

1つ前の出番で登場した水曜日のカンパネラのトラックメイカーであるケンモチヒデフミとタッグを組んだ曲「ピラミッドダンス」では、クセになるピ!ラ!ミ!のリフレイン、そしてサビ前に音が止まるブレイクを挟むことで神秘的なパワーを生み出し、スフィンクスも両足で立って踊りだすような楽曲だ。

パフォーマンスもいよいよ終盤。UKロックを色濃く受け継いでいることを思わせるクールなギターのイントロが鳴り、「Bitch」だと分かった瞬間に歓喜するオーディエンス。「ありがとうございましたボロフェスタ!」と米田が全身で踊りながら感謝を伝え、ステージの前まで出て黒髪を振り乱して自由に踊り、歌った。左右に大きくステップを踏みながらもマイケルの演奏はブレず、跳ねながら西田一紀(Gt)の鋭いリフは最高潮に達し、鈴鹿のパワフルなビートが米田と一体化していく。

「頭ばっかりじゃなくて体で繋がりませんか京都の皆さん!」と米田が愛を確認するように客席に投げかけた。客はそれに答えるように「シューティングスターみたいに儚い 恋の残像に bye」(“GIVE&TAKE”の歌詞より)の歌詞に添わせるように左右の手を大きく揺らし、ライヴが終わるのを惜しんだ。

結成15周年を迎え、現在ツアー真っ只中の彼ら。これからも彼らの楽曲で踊り続けていたい。

Text by 松下愛

Photo by ウチダミサキ