濃密な音楽体験
京都の3人組バンド、幽体コミュニケーションズが今年もボロフェスタに登場。paya（Vo＆Gt）はマイクに優しく吐息を纏わせ、柔らかいアルペジオを弾く。音楽が少しずつ空間を拡大して、次第に壮大なイメージを想起させる「ぱれいど」。宝石を静かに燃やしているような、夢うつつの歌詞世界。
2曲目の「Beat my Spring(春を斃して!!)」ではpayaがラップを用い、フロアをアッパーにしていく。いしし（Vo）は、エアリーで丸く穏やかな歌声を添える。
「今日は特別な気持ちがあって。いい気持ちで帰りたいと思います」とpayaが語りかけ、裏拍が心地よい「Ollie(巡礼する季語)」へ。ステージはスモークに包まれ、照らすライトが3人の輪郭を浮かびあがらせる。
6曲目には「ショートショート」を演奏。あたたかな音像に、吉居大輝（Gt）のギターがメロディアスであり、終始、幽体コミュニケーションズの濃密な音楽がフロアを満たした。
Text by 松下愛
Photo by 定藤孝徳
