Age Factory

ボロフェスタ2024
ボロフェスタ2024

時代の正体と未来の種

初出演を果たした2017年から7年。今年で結成14年を迎えた奈良の雄、Age Factoryが満を持してボロフェスタ2024初日を締めくくった。

彼らの楽曲は、冷たい風を感じ始める晩夏の焦燥のみならず、夏の盛りのほとばしる生命力をも体現しながら我々の胸を掻き立てる。そんなエモーショナルを遺憾なく発揮したAge Factoryの舞台は、過去と現在が太い線で結ばれながらまだ見ぬ未来へのバトンを託す、光にほかならなかった。

「OVER」で軽やかに走り始めると、「走りにきました!」の誘いで「疾走」をプレイ。時代へ迎合することへの忌避感をにじませていた彼らは、いま確かに時代の最先端にいる。噛み締めながら弦を揺らした清水英介(Vo&Gt)が「変わらないために変わり続けることを選びました」と告げた「RIVER」、西口直人(Ba&Cho)のコーラスがさらなる哀愁を呼び起こした「YELLOW」と、過去曲が連発されるたびに上がった悲鳴を耳にして、そんな確信を揺るぎないものにした。

「初めて出演した時は誰も知らなかったけど、未来では皆と会えました。だから、いますべてを感じたいです」と告げて披露された「See you in my dream」で、「このまま天へと連れ去ってくれ」と願うほどに美しい光景を作り出すと、「ロードショー」をラストに据える。刻みつけるように一言一言を紡いだアカペラからクライマックスへ突入すれば、ステンドグラスが目の前に開かれた。膝から崩れ落ちるオーディエンスの姿も見られたが、この日Age Factoryを観ていた多くのファンが妄想していたであろうワンシーンが実現したのだから無理もない。

アンコールの「GOLD」まで、堂々とトリの責務を果たしたAge Factory。間違いなくこの日が、誰かにとっての転機になるだろう。そんな希望を感じる1日目の締めくくりであった。




Text by 横堀つばさ

Photo by 昴(shohnophoto)