擦りむいても闘いは続いていく
ライヴが始まる直前、パーティーナビゲーター:MC土龍は「街の底STAGEという名前は札幌のロック・バンドであるeastern youthの曲名から名付けている。いつか札幌のバンドにこのステージに立ってほしいという気持ちが強かった!」と、札幌のTHE BOYS&GIRLSをステージに呼び込んだ。
ワタナベシンゴ(Vo)は「よーいドン」を熱く歌い、「ギター! ドラム! ベース! 俺たち、学校の友だち!!」とメンバーを紹介し、音が鳴らせる喜びを爆発させた。その勢いのまま、街の底STAGEの天井に何度もジャンプし、頭突きをした。ワタナベが着ている白のTシャツには、おそらく自分で油性ペンで書いたであろう”闘いは続いていく”の文字が大きく書かれ、その言葉どおり闘志をみなぎらせるパフォーマンス。
街の底STAGEを横から観ているオーディエンスがいれば、「おいで!」と伝え、どんどんTHE BOYS&GIRSの音の輪に誘う。初めてバンドを組んだときのような、初めて楽器を触ったときのようなフレッシュな初期衝動のビッグバンを何度もライヴのなかで起こした彼ら。観客の帽子をもぎ取って自分が被るなど、フロアとの距離が近い街の底らしいハイライトも。
「1秒でも居合わせてくれてありがとう! 俺たちが街の底! 最後の最後まで土を掘り進めながら、時間の許す限りやりたい!!底の底まで掘って、どん底に来たとき何があるのか。また京都のどん底で会いましょう!!」という汗がにじむ熱い言葉にロック・バンドの真髄を感じ、観客は惜しみない拍手を送った。
「声にならねえな」ではフロアにダイブし、「あそこに行きてぇ!!」と隅っこを指す。「登ってみて分かった! 自動販売機だこれ!!」と、黒い布で覆われた自動販売機の上で歌い、自由なロック・スピリットをフロアに見せた。
Text by 松下愛
Photo by 定藤孝徳