ポンツクピーヤ

ボロフェスタ2024
ボロフェスタ2024

上手く行かない毎日を歩んでいけ

14時過ぎの街の底 STAGEには、ボロフェスタ初出演となるポンツクピーヤがオンステージ。大石哲平(Vo&Gt)の叫びと共に幾発か掻き鳴らすと、中江亮太(Dr&Cho)の早急なビートに乗って「喫茶店に蔓延る」で滑り出していく。

ライブ中盤に展開された、ユニゾンするダーティーな低音リフが印象的な「こんばんは暗闇」にレトロな手触りの「19歳」を連ねる流れは、彼らが掲げる「ハイパーキューティーウルトラポップ」を体現していたように思う。前者では「だからあいつを 殺してくれないか」「俺が死ねば終わるかい」とヘビーな言葉たちが吐露される一方で、後者では「ラブリーラブリーキュートな世界で 僕は僕のこと嫌いにはなれないさ」とファンシーな単語たちが並ぶ。何かを憎むことは何かを愛することと表裏一体で、ひょんなことからその盤面は反転する。ハイトーンでは甘い、低音では硬派な大石のヴォーカリゼーションは、陰陽の両面とオーバーラップしながら、双方をひっくるめて抱きしめてくれるのであり、それは彼らのポップネスにほかならない。

京都発のバンドとしてボロフェスタに出演することができた喜びをにじませたのち、大石は「次は上のステージに行きたいな」と語っていた。その言葉が実現するのは、遠くない未来の話だ。

Text by 横堀つばさ
Photo by なかむらるか