あなたの心を突き動かすステージ
2002年より活動を続ける姫路発ロック・バンド、bachoがオン・ステージ。GREEN SIDE STAGEの頭上に紹介映像が映し出されると、どんなライヴが観られるのだろうか? と高揚感に満ちたフロアから歓声が上がる。
メンバー同士顔を見合わせながら鳴らし始め、鋭さと太く刻まれた音に引き込まれる。「大いなる助走」から「萌芽」を続け、北畑欽也(Vo&Gt)の魂の叫びがダイレクトに心に鳴り響くなかでフロアを見渡すと、すでにたくさんの拳が上がっている。シンプルで真っ直ぐで熱くて格好いい。「決意の歌」では「誰かの足を引っ張るよりも、俺も誰かの背中を押したい そういう関係でいつまでも君と、居たい」(”決意の朝”の歌詞より)と、ハンド・マイクで歌い上げる。
「途中でやめたらあかんけど、ぼちぼち続けていけばだいたいのやりたいことは叶うんじゃないかな」とMCで話した北畑。目の前のあなたに向け各地のライヴハウスで長く活動してきた彼らだからこその言葉だ。そんなbachoは、11/9に9年ぶりとなるフル・アルバム『Boy Meets Music』をリリース予定で、期待も高まる。
ライティング等での派手な演出は一切なし。ただ、彼らのライヴには人の心を突き動かす確かな衝動があった。今日bachoを目撃した人の心の琴線に触れるには充分なステージだった。
Text by キムラアカネ
Photo by なかむらるか