KOTORI

ボロフェスタ2024
ボロフェスタ2024

1000年先まで歌い続けよう

横山優也(Vo&Gt)は以前、フィジカルなライヴと踊らせるステージを両立したいと語っていた。ORANGE SIDE STAGEのトリ前に登場したKOTORIの40分間は、まさしくその言葉通りのステージングであった。「踊ろう、ボロフェスタ!」の誘いから、まずは「GOLD」で鮮烈なオープニングを迎える。横山の歌い出しを契機に金色の照明が4人のシルエットを縁取っていく。マッシブな16ビート上で、たっぷりリバーブのかかった歌声とバチバチに歪んだギターが空間を埋め尽くすと「Masterpiece」へ突入。

この日のセットリストでひと際輝きを放っていたのが、エレクトロチックな音像がシンボリックな「Heartbeat」だ。ハイフレットで動き回る上坂仁志(Gt&Cho)のギターリフが揺れるリズムを生成する同曲では、竿隊3人のカッティングがビートと完璧なシンクロを見せ、まさに”揺蕩う”と形容すべき一幕を完成させた。

終盤戦では「街の底 STAGEからメインステージまで這い上がってきました。太陽、いや夕陽を見にきました!」の一言から「RED」で猛進を開始。間髪入れずに「素晴らしい世界」をドロップすれば、全編シンガロングが巻き起こっていたライヴの中でもひと際大きい大熱唱が発生する。ここから「We Are The Future」「トーキョーナイトダイブ」で一気に引き込んでいくステージ運びは、天へと飛翔していく肉体的なパワフルさと、隣の人へ熱を伝播させていく広大さの両翼に支えられていると感じた。最後は「YELLOW」で巨大な音塊をぶつけてフィニッシュ。「3、2、1」のカウントダウンと共に、横山が無敵と称するAge Factoryにバトンを繋いだ。

Text by 横堀つばさ

Photo by 内田美早紀