光と影の残響
拍手、歓声と共に迎え入れられたcinema staff 1曲目の「シャドウ」から、激しく力強いステージが始まった。飯田瑞規(Vo&Gt)の潤いに満ちた伸びやかな歌声が、響き渡る音に乗る。
ORANGE SIDE STAGEで堂々と暴れるようにかき鳴らす辻友貴(Gt)のギターソロが印象的だった。3曲目の先月リリースされた「プレキシ・ハイ」は、三島想平(Ba)の地鳴りのようなずっしりとしたベースプレイと久野洋平(Dr)の太く芯のあるドラミングに思わずのみ込まれそうになった。
MCで飯田は、「ボロフェスタに前回出たのは12年前。たくさんの方が関わってすごく血の通ったフェスに出れて嬉しく思います」と語った。ステージで威勢よく鳴らし、歌いあう姿、フロアで噛み締めるような表情で体を揺らし力強く握った拳をあげる姿。これこそがライヴだと、そう感じさせてくれた。各々が折り重なって伸びやかで勢いのあるハーモニーを奏でる。彼らの姿はあまりにも頼もしく、壮大な景色を魅せてくれた。
Text by 山崎更紗
Photo by 内田美早紀