TOKIMEKI☆JAMBOJAMBO

ナノボロ2022
ナノボロ2022

ナノボロゴールデンタイム! 圧巻のTOKIMEKI☆JAMBOJAMBO!

ウクライナのトークイベントや、メシアと人人からの流れ…ナノボロのいわば「ゴールデンタイム」の時間にORANGE SIDE STAGEに登場したのは、ナノボロ主宰メンバーのひとり、オカムラヒロコ(Key.)率いる4人編成のインストゥルメンタル・バンド、TOKIMEKI☆JAMBOJAMBOだ。ナノボロとボロフェスタには欠かせないアーティストである。昨年度ふたり編成でのステージとなったため、今年は4人全員で音を重ねることができることへの喜びのようなものが、本番スタート前から感じられる。

「TOKIMEKI☆JAMBOJAMBO、いきます!!!! 」という言葉を発するとともに、ジャーン! と爆音が鳴らされる。ここからはもう彼女たちの世界だ。“アルゲンタヴィス”、“Nina”と続き、音が鳴り止むタイミングや音の強弱でハッと息を飲みたくなるような圧巻のパフォーマンスに目が釘付けになる。できればこの音楽に身を委ねていたい、まさにそんな気持ちだ。4つの楽器の音を大きく合わせ続けるキメの連続や瞬間的な爆発力、大きく振りかざされる音を全身で感じることができるのは、このバンドの生音を浴びているときの醍醐味だ。

「今年のナノボロは夏祭りがテーマです! 祭りのセットリストで来ました! 残りぶつけていくのでよろしくお願いします! 」と夏を予感させるオカムラのMCの流れで演奏されたのは“PARASUMMER CARNIVAL”。思わずこちらも口ずさみたくなるようなメロが展開され、その次の“夢みるカララ”ではゆったりめのセッションから、エッジの効いたカッティングが折り重なる展開に。祭り囃子のようなコミカルかつリズミカルなセッションに、夏の風景が目に映るように感じる。まさに「夏祭り」であるナノボロにピッタリな楽曲だ。楽器のみで勝負するからこそ、巧みなアンサンブルから演奏力の高さがよくわかる。

最後の“走れカカポ”では、バン! バン! バン! というリズムに合わせて楽しそうに踊るお客さんの姿が。しかし、お客さんたち以上にステージ上の彼女たちがいちばん楽しんでいる。時折お互いに笑みを見せながら、繊細かつ大胆な音を刻んでいく。まさに全てを出し切る勢いで演奏する姿に、私たちの心は動かされる。

私たちは歌詞に時に力をもらい、時に共感することもあるが、TOKIMEKI☆JAMBOJAMBOは音の力を、観る人にいつも証明してくれるのだ。

Photo by 瀬藤育

Text by キムラアカネ