天国注射

ボロフェスタ2024
ボロフェスタ2024

エネルギーを使い果たせ

昨年のボロフェスタで街の底 STAGEのフィナーレを飾ったHARD CORE DUDE同様、今年も<難波ベアーズ>からの刺客である天国注射が3日間を締めくくった。
ロケットスタートを切った「知恵遅れのうた」では、拍動とピタリと重なるベースや繊細なバランスで積まれたギターが、激しいだけではないダンサブルな表情を見せつけながら、残留したパワーを使い果たすべく街の底を震わせていく。

池澤健(Vo&Gt)が客席へと乱入したことを契機にぐちゃまぜのフロアが誕生した「骨と皮」は、ハイライトのひとつ。やってきたばかりのオーディエンスがすぐさまモッシュに突入する様子は、天国注射のナンバーたちが直感的に遊べることの証明であった。
池澤がギターを担ぎ、満載の歌心を提示した「芋虫」を経て、激走する「idiot riot」でピリオドが打たれる。初日のコロブチカから延々と託されてきたバトンが、汗だくの35分で遂にゴールへ!

Text by 横堀つばさ

Photo by リン(YLC Photography)