梅田サイファー

ボロフェスタ2024
ボロフェスタ2024

船頭多くしてHIP HOPに染め上げる

初登場を果たした昨年に引き続き、今年も梅田サイファーがORANGE SIDE STAGEにやってきた。「俺らはサウンドチェックするから、お客さんは盛り上がりのチェックさせてほしいです」と告げたリハーサルを終え、準備満タンとなった会場に初っ端から「韋駄天S**t」「スイッチ」を連投する。

ローからハイまで声色も発声も異なるメンバーたちが矢継ぎ早にローテーションしていく光景は、マーブルチョコを彷彿させるほどに色とりどり。中盤で披露された「アマタノオロチ」のリリックを借りれば、「全員が頭!」な彼らがいっせいに熱唱するシーンはそれだけで圧巻。ここまで船頭が多いのにもかかわらず、決してバラバラにならないのは、HIP HOPへの、そしてレぺゼンである梅田への愛があるから。KBSホールを愛するホームへ変えた「梅田ナイトフィーバー’19」では、冒頭で回らなかったミラーボールがクライマックスを迎えるにつれて回り始める。梅田のビル街を呼び起こす光の粒が泳ぐなか、クルーもミラーボールを指差して破顔するハートウォーミングなひとコマだった。

MCではLimited Express (has gone?)のフロアライヴに触れ、「来年は13人バラバラのところでやりましょう」と語っていた。その言葉が現実になったとき、どんな光景を見ることができるのか。もう来年が待ち遠しい。

Text by 横堀つばさ

Photo by 昴(shohnophoto)