笑って泣いて どすこいSTAGE
ライヴが始まる前に、メンバー自らが「これ使うんで」と甲子園の客席などで目にするような小さなメガホンをお客さんへ配っていく。
ザストロングパンタロンXを知っている人はにやつき、知らずにソファーでくつろいでいた人は戸惑う。いざライブが始まれば、すべての人たちを巻き込んで驚きと笑いと楽しいライヴ!
今年10月1日に発売されたばかりの「毎日ストパンコミック」から笑いが起きる曲を数曲披露。
こってりラーメンで有名な天下一品の公認となった「天下一品〜3日目〜」で、またも生まれた笑いのあと「おかんとニューエラ」が始まる。
歌詞の冒頭では、おかんがブランドのNew Era(ニューエラ)を洗い、帽子の大事なシール部分をはいだことが歌われ、笑いが起きる。
この曲は結果的には奇跡の回復となるが、難病の「ネフローゼ症候群」を患ってしまったおかんへの愛の歌だと知っている私は、多くの人が笑っているなか泣いてしまった。おかんとの日々の生活でのやりとりは、おかんが生きていてくれるからできるのだ。
曲が進み、この曲の意味とおかんへの愛を感じた客席が熱い眼差しをステージへ送ったかと思えば、次の曲ではまたコミカルなライヴパフォーマンスに変わり、笑いへと目まぐるしく変化。
ザストロングパンタロンXのライヴは面白いし楽しい。
しかしただふざけているのではなくて、彼らの曲と歌詞が、日々への疑問や想いや愛が、ほんとうに純粋だからなのだと思う。
ボロフェスタ2024のどすこいSTAGEの大トリ。
笑って泣いて、圧巻のライブだった。
Text by 坂本
Photo by 定藤孝徳