地下で駆られる初期衝動…!
東京からpavilionが街の底STAGEに登場。力強いビートに全員で叫ぶ声をのせ、初っ端からフル・スロットルだ。ファースト・シングル「Yumeji Over Drive」を続け、森夏月(Vo&Gt)のひたむきな声とバンドの溢れんばかりのグルーヴ感は、青春のあの頃の初期衝動を思い出させる。
「ルーシッドの空言」では跳ねたくなるようなユーモア溢れるリズムで観客を巻き込み、音の切れ目をうまく使って曲で遊んでいる。そんな彼らが何よりも楽しそうで、フロアからは熱視線が注がれている。サビで「La La La」と拳を突き上げながらシンガロングしたりと彼らのモードはさらに加速していく。そして、序盤からの勢いそのままに駆け抜けるかと思いきや、一気にテンポ・ダウンさせる等、終始緩急も効かせた完成度の高いパフォーマンス。街の底の熱気も最高潮だ。
これからの音楽シーンを担うであろう若き青年たちに、温かい拍手が送られた。そしてやはり、この空気感と衝動は街の底ならではだろう。ボロフェスタの地下はアツい。彼らを上のステージで観ることができる日も、そう遠くない未来だろう。
Text by キムラアカネ
Photo by 昴(shohnophoto)