みっちー(シンガロンパレード)

ボロフェスタ2024
ボロフェスタ2024

音楽で生きる

自分でハンドルを握って、計画を立てず興味の赴くままに今日はこっちへ、明日はあっちへと車中泊の旅をしているみっちー(from シンガロンパレード)。なんと岐阜から帰ってきてこれから富山に行くのだという。

1曲目では「僕のチャリ」を伸びやかに歌う。そして、「飛んでいくか!」と「UFO」をアクト。マイクを通さずにアコースティック・ギターの生音と生声を途中挟み、力強く届けた。日本一周の旅を経て場の掌握力が上がり、音のレンジがさらに幅広くなった。観客は体を揺らし、手拍子で応える。「野良でケッコー」では、6本の弦でここまで猫生が表現できるのかといつも驚かされる。

MCでは、日本一周に飽きたと笑いを誘いながら、もっとこの街で歌いたいと思ったと京都への愛を口にした。

最後にはルートAを弦が切れんばかりに弾き、観客に熱量を届けた。彼の生き方の根底にはきっと、“一度きりの人生”という揺るぎないテーマがあって、だからこそ人生を精一杯楽しみ、後悔しないよう必死で生きている。この旅路で擦り減らした靴底のぶん、得た出会いは多かっただろう。

音楽で生きることを選び続ける彼に、これからの無事を祈る拍手を贈る。

Text by 松下愛

Photo by 加藤はな