bonobos

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

bonobosの音楽はハートフルであたたかい

ボロフェスタ2022の2日目のトップバッターを飾るのは、bonobosだ。2023年春をもっての解散を発表している彼らを見に、多くの人が集まった。今日は18:00スタートという少し遅めな時間設定となっている。昼までのポカポカ陽気から一転、段々と肌寒くなり始めた時間帯だったが、bonobosが登場し1音目を鳴らし始めると、会場内がカラフルに彩られるような、温かく心地よい空気になった。

「Not LOVE」からライヴは始まり、蔡忠浩(Vo)が気持ちよさそうに、合いの手的に自由な発声をする。その声に呼応するかのように、フロアのオーディエンスも思い思いに体を揺らす。挟まるように耳に入ってくる田中佑司(Key)のキーボードの音も心地いい。2曲目の「THANK YOU FOR THE MUSIC」では音楽への感謝を歌いあげる。小池龍平(Gt)も体を揺らし、梅本浩亘(Dr)がリズムに合わせて「パッパッパーン!」と口ずさんでいる様子からも見てとれるように、まさに全員の気持ちが曲に乗りきってこちらに伝わってくる。

解散を控えた彼らだからこその音楽への感謝や、誰よりも愛する気持ちが色濃く表れているのかもしれない。彼らの姿勢に、フロアからも拍手が。続く「Cruisin’ Cruisin’」でも、まさに百戦錬磨の阿吽の呼吸で曲を自由自在に展開し、会場の熱量をあげていく。まさに長年の信頼関係あっての賜物だろう。

MCでは、「ボロフェスタ〜!」と叫んだ蔡に対し、「bonobosでしたー! かと思った(笑)」と森本夏子(Ba)がツッコむというメンバーのアットホームな場面も見られ、「京都魂見せていこうぜー!」と気合十分な様子にフロアからも歓声と拍手が湧く。無音を含めた音の緩急や、キメにハッと息を飲むような「永久彗星短歌水」が演奏されたのち、キャッチーで明るい曲調の「GOLD」にて「ありがとうさよなら みんな愛してる」とメンバーみなが口ずさみながら、ハートフルなメッセージを伝えるbonobos。最後に全員の名前を伝え、ボロフェスタへの感謝を叫んだステージは大団円となって終幕した。

Photo by リン
Text by キムラアカネ