全力で生きることの美しさ
街の底STAGEは異様な熱気で溢れかえっていた。これ以上熱くなるのは難しいかもしれない、と思ったのを後悔するくらいに更にそれを熱くしてくれたのが、T.M.P /KANG SIGH HYPER CREWだ。
まずは関西在住の2人組エレクロト・パンク・ユニット、T.M.Pのステージから始まる。「T.M.PとKANG SIGH HYPER CREWがボロフェスタに呼ばれたことに意味がある。作っていきましょう、よろしくお願いします」とTaochy(Vo)。その意味をひとつずつ確実に証明していくかのように、力強く私たちの心に訴えかけるステージ・パフォーマンスが始まっていった。中でも特に盛り上がりを見せたのが、ボロフェスタのテーマソングにもなった「Blue Vibes」。イントロの1音目が耳に届いた瞬間から、フロアには激しく歓声が響いた。
KANG SIGH HYPER CREWが始まる頃にはその場に居た全員が汗だくだった。けれども、T.M.Pで熱くなったフロアは全く冷めることを知らず、彼らはフロアを煽り続けていく。神戸のバンド、宵待のNaotaka Ose/ PushとT.M.PのTaochyを中心に関西にて結成された彼らのライヴは、全員が全力でその場を楽しみきるからこそ生まれていくグルーヴ感が、心の奥底を掻き立てる。
「もっと暴れようぜ、ここが街の底」と叫ぶPushの言葉通り、もはや現実から切り離された別世界のような空気の中全力で暴れていく彼らを受け入れて、その場にいた全員が混ざり合ってひとつになっていく。フロア全てを飲み込む彼らの全力さに休憩する暇もなく感動させられっぱなしだった。
入場規制がかかるほど彼らを心待ちにしていた人は多く、その期待を裏切らない全力さがみんなの汗に反射して、キラキラ光って本当に美しかった。全力って美しい、そう証明してくれた彼らはボロフェスタにまた新しい風を吹かせた。