ROTH BART BARON

ボロフェスタ2022

壮大なサウンドと心地よい高音が響く

外もすっかり暗くなり、4日目も終盤に差し掛かる。リハーサルからそのままギターを掲げて始まったのは、シンガー・ソング・ライターの三船雅也を中心に東京を拠点として活動している日本のインディー・ロック・バンドROTH BART BARON(ロットバルトバロン)だ。

ギター、ベース、ドラムだけでなく、キーボードや管楽器からも奏でられる激しく爽快なサウンドが三船の美しい声と重なり、唯一無二の音楽が生まれる。

「Ubugoe」では落ち着いた、穏やかでも体の芯に響いてくるような確かなサウンドが会場に響き渡り、管楽器の音が壮大さをさらに演出してオーディエンスも思わず体を揺らす。さらに続いてスモークと、オレンジと青の照明に照らされながら聴く「BLUE SOULS」は、耳を澄ませて目を閉じると大海原が背景に浮かんだ。

そんな彼らのニュー・アルバム『HOWL』がちょうど3日後、11月9日にリリースされる。その中から、三船の「ぜひ一緒に吠えてください」の言葉と共に、新曲「月に吠える」を披露。みなが彼の声と心地よい伸びやかな音に耳を澄ませた。

最後は「鳳と凰」。「次はこのカーテンを開けさせてみせる」と、三船はステンドグラスを指さして言った。メンバーと観客のマスク越しのコーラスで会場が一体となり、ROTH BART BARONらしいステージで幕を閉じた。

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Photo by ユウ