てら(band set)

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

これがボロフェスタか

3日目も終盤に差し掛かり、土龍とステージ上で掛け合いをしながら、どすこいステージのトリを飾ったのはてら(bandset)。

“知らない間に夢を叶えてしまったよ”と歌うてら(Vo.Gt.)は、ボロフェスタに出ることを十年夢見ていたという。決して“知らない間”ではないだろう。2008年から弾き語りをはじめ、昨年の2021年、バンドセットとして活動をはじめ今年9月、「サイダーとタイムマシン/スーベニア」をリリース。酒気帯びながら半径50センチの日常を歌う彼はまさに酩酊シンガーソングライターと呼ぶにふさわしい。

途中でギターの弦が一本切れてしまうアクシデントをものともせず、笑顔で誰よりも本気でステージを楽しむ姿と等身大のその歌詞に当てられ、筆者も思わずお酒を買いにドリンクへ走ってしまった。

いつの間にかどすこいステージを埋め尽くすかのように人が溢れ、座って聞いていた人も立ち上がってしまう。そんな私たちの姿を見て「これはただのフェスじゃない。これがボロフェスタか」とかみしめるてらに、目頭が熱くなった。

Photo by ウチダミサキ
text by ユウ