浦小雪

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

真っ直ぐな声が秋の京都を優しく貫いた

異様な盛り上がりをみせる、最終日のどすこいステージ。3組目に登場したのはSundae May ClubのVo&Gtとしても活躍する浦小雪だ。
ステージに上がった浦は暖かなアコースティック・ギターの音色に乗せて、真っ直ぐで透明感のある歌声を響かせていく。

「サニーハニー」では、力強い歌声と、ぬるいサイダーのような気の抜けた声色を見事に使い分け、失恋のあとの何も手につかなくなるような抜け殻感を私たちに思い出させた。

「ボロフェスタ最終日に出演させていただいて嬉しいです。ステージがかわいくてテンションがあがってます」と新鮮な感覚で初めてのボロフェスタを楽しむ姿は、親近感を感じるほど自然体で、そんな彼女を見つめる観客の視線もなんだか温かい。

その後は初めてソロ名義で発表した「夏の速度」を披露。
夏の終わりと共に去っていった恋の思い出を歌ったこの曲は、金木犀が散ったばかりの京都にぴったりの哀愁が漂っていた。

「もっとみんなに音楽が届くようにがんばっていきたいと思います。ありがとうございました」と締めくくり、ボロフェスタのステージを終えた。

バンド、ソロと様々な形態で音楽を届ける彼女の今後の活躍が楽しみだ。
「来てみたかった」という京都。明日は観光していくらしいので、おすすめのお店があればこっそり彼女に教えてあげてほしい。

Photo by shohnophoto
Text by 奥野ひかり