よいまつり

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

ピカピカのままでいてね

「盛り上がっていきましょう!」という元気な挨拶とともに、どすこいステージではよいまつりの“お祀り”が始まった。

「どすこいステージだからふんどしみたいな変な服着てきた」と、いつもとは違う衣装にキラキラのライトを身につけて、最初からトップスピードで盛り上げていくよいまつり。お客さんに投げてもらうべく、フロアに旗をたくさん投げ入れて、満面の笑みでパフォーマンスする彼女から一瞬たりとも目が離せない。

曲の途中で「かわいいですか?」とお客さんに尋ねたり、「家かえって聞いて」とCDをばらまいたり、「えらいえらい」とお客さんの頭を撫でたり……常に笑顔で天真爛漫にステージ上を飛び回る彼女のパフォーマンスに振り回されていく。飾らずに常に突っ走っていく彼女のありのままが表現されているようで、とても愛らしい。彼女の魅力に魅了され、どんどん離れられなくなっていくのが分かった。彼女の遠くまで響くはつらつとした声も相まって、フロアのお客さんたちも元気や笑顔が伝播していく。その場に居た全員が手を振ってパフォーマンスを楽しんでいた。

最後「ぴかぴかのままで」という曲を披露すると、彼女はフロアへ下りてきて「ぴかぴかのままでいてね」と声をかけながらお客さんひとりひとりを優しく抱きしめていく。ありのままを表現する彼女が言うからこそ、言葉の説得力がある。“私は私のままでいいんだな”と自然にそう思わせてくれるパフォーマンスに胸を打たれた人たちも多いのではないだろうか。

包容力たっぷりに締めくくられたよいまつりのステージ。彼女は彼女のパフォーマンスを“お祀り”であると言っているが、今回はキラキラの笑顔たっぷりに“良い祭り”としてボロフェスタに刻まれた。これから心が折れそうな時がやってきても、今日を思い出せばきっとぴかぴかの私たちになれるはず。

Photo by 羽場功太郎
Text by 風希