夜の世界にいざなう
moguran’BARからのPJコールを受け、メトロのfrontstageに登場したのはAl JarriemとJOMNIによる関西のディープ・ユニットPee.J Andersonだ。京都ハウス・シーンで、ハウスをベースとしながらもブレイクビーツからジャングル、エモーショナルなアンビエントまで幅広いジャンルを網羅する独自のディープハウスグルーヴを構築している。
初めはゆったりとした横揺れを誘うビートにギターも加わり、耳に届く高音が心地よい。スモークで彼らの姿が見えないまま、シンセサイザーから響く音が私たちを夜の怪しい世界へといざなっていく。ノンストップで奏でられ、だんだんテンポが速くなり激しくなっていく重低音にはじめは控えめな横揺れをしていた観客も思わずみな踊り出す。この体に響く音は彼らの演奏か、はたまた夜の世界に迷い込んでしまった私の心臓の鼓動か。
最後に「朝まで踊りましょう」の一言だけ残しステージを後にした二人。
マイクを握らず、言葉で語らない、音楽で観客を魅了するふたりの姿をずっと見ていたいと感じた。
Photo by shohnophoto
Text by ユウ