やっほーの叫び
みらんからバトンを引き継ぎ、どすこいSTAGEに登場したのは、ボロフェスタには初出演となるやっほーだ。
誰かの心に何かを残すんだっていう心意気とか、あのテンションでフルで叫び続けるエネルギーとか、自由極まりない動きとか、目からも感じた熱気とかにひたすら打ちのめされた……。
チップチューンのピュアネスがまた、音像の混沌さを強めていると思った。視線や所作ひとつひとつに目を奪われ、思いがけないことの連続で迷子にされた感じもあった。
帽子とり上げ、客席でシンバルキック。ダイブしてTシャツ脱ぎすて、外出て絶叫。どの角度を切り取っても今まで聴いたことない音楽で、今まで観たことないライヴだった。あれは、一体、日本語でなんて言うのだろう。しかし、やっほーの叫び声でしか伝わらない気持ちは、きっとある。この独特の世界観は唯一無比の才能だろう。この面白さを他と比べることはできないから。音楽は何でもありなんだって思った。なんにも決めつけなくていいんだという希望を見た。
そして、あらゆるアーティストを受け止める、包容力に富んだボロフェスタらしいブッキングの妙を思った。やっほーは、ボロフェスタの記憶にその存在をしかと刻んだ。