浪漫革命

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

ボロフェスタ愛が、たぎる。

D.A.N.からバトンを引き継ぎ、GREEN SIDE STAGEに登場したのは、ボロフェスタには2019年から3回目の出演となる浪漫革命だ。

「ラブストーリー」から。彼らは『日本人の持つ浪漫、音楽の持つ浪漫、今の時代に確かに在る浪漫』を信じて、音を出す。藤澤信次郎(Vo,Gt)のあたたかい歌声と気持ちいいバンドの音とがKBSホールに響き渡って、多幸感あふれる音楽で身体の芯まで埋め尽くされた。彼らが作る横ノリのグルーヴにみなが共振するさまが、また心を震わせた。

ライヴは「そっとぎゅっと」へ。時たまクシャっと破顔する藤澤のしなやかなのに力強い歌声は、言葉の浸透力がハンパない。魔法のように乾いた心に染み込んでいく。静かに、しかし深く……。

つい小躍りしたくなるような「月9」から代表曲「あんなつぁ」へ。

あの夏の景色、まぶしい胸の高鳴り、がらんとした部屋の空虚さ。情緒たっぷりの音像は記憶を呼び起こす。束の間の夏を耳から感じ、そしてあんなつぁ〜♫を口ずさんじゃう帰り道を予感した。

数十分のワンステージでこれほどいろんな表情を見せてくれるなんて。浪漫革命の引き出しの多さから彼らの心からの音楽愛に気づく。

MCでは、「京都のバンドとしてボロフェスタは大切なフェス。こうやって一緒にあそべることを誇りに思う」と語り、ライヴは、お笑い芸人でYouTuberの岡田康太さんがサプライズで登場し、「優しいウソで(feat.岡田康太)」へ。どうせなら、優しいウソでいっぱいの人生に。というメッセージが、不器用も愛らしい岡田さんの生歌とともに、今でも僕の中に響き続けている。

いいライヴをみるととってもいい気分になる。生きてるって感じさせてくれる。街がとっても輝いて見えそうだ。

Photo by コマツトシオ
Text by 石上温大