アコギ一本で十分おいしい透き通った歌声
ザワザワとした会場に透き通った歌声が響いた。関西を拠点に活動しているみらんが、どすこいステージに登場。自室の愛犬と戯れながら宅録スタイルで音楽制作を行なっていた彼女は、今年の春、初のスタジオで録音したニュー・アルバムをリリース。『Ducky』に収録されている曲も今日のライヴで披露された。
サニーデイ・サービスの曽我部恵一プロデュースで話題となった楽曲、「低い飛行機」は中盤に披露。「どこまでも連れ去ってほしい こんなにも好きよ」と伸びやかに歌う。楽器はアコギ一本だけ。通りかかる人たちが次々に足を止めていく。「弾き語りがすごく好き。バンドもやるけど、やる度に弾き語りがもっと好きになる。今日は楽しくて、機嫌良くやっています。みなさんも、ぜひ一緒に楽しんでくださいね」。
最後は「町中華の歌」でフィニッシュ。正統派フォーク・ソングにお似合いのロウファイな音が、会場を暖かく包み込んだ。いい素材ならシンプルな調理だけで十分おいしい。それは食だけでなく音楽にもいえること。みらんの歌声を体全身でゆったり聴ける、ハートフルなステージだった。