不安定で楽しい
3日目も終盤に近づいてきた頃、YOLZ IN THE SKYが街の底ステージに登場した。ひとつ前の出演の鈴木実貴子ズがキャンセルとなったため、会場はしんとした時間が長かった。その穴を埋めるように、ひょっとしたら、さらに穴を深くするように、何者をも寄せ付けない凄みのあるライヴを、YOLZ IN THE SKYは披露してくれた。実際、会場は大盛り上がりですのでご安心ください。
人力ミニマル・テクノといった趣のドスバスとなるドラム、聞き取れないポスト・パンク的なしゃがれたボーカル、調和しない機械音。この三拍子を軸にグルーヴを築き上げていく。書きながら不安なのだが、腕をあげながら文字通り酔いしれる方もいるほど、聴く人によってどのように感じるかは分かれる不安定な享楽性があった。密で怪しげな街の底ステージには、打ってつけのパフォーマンス。ダンス・ミュージック的リズムと、「これこれ！」という気持ちに任せた、ねじの外れた享楽が会場を満たしていた。
