Ribet towns

ボロフェスタ2022
ボロフェスタ2022

“非日常”が日常へと戻ってきた!

高く広くどこまでも広がる秋晴れの空の下、無事に最終日を迎えたボロフェスタ2022。どすこいSTAGEのトップを飾ったのは京都のトイポップ・バンドRibet towns。「意外とこのステージ何でもできるんすよ」と主宰の土龍が言うように、どすこいSTAGEのこじんまりとした舞台上には9人の男女がぎゅうぎゅうに立っている。白やベージュの淡い色の衣装で着飾った彼らからは、どことなく非日常感が漂っていて、これから始まるパーティーにお客さんたちは胸を膨らませていた。

「ぶちあげますよ!」とasayo(Vo)が声を張り上げると、1曲目「CRUSH」へ。祝祭のようなハッピーでピースフルな空気がKBSホールのロビーをいっぱいにした。「なんでもない日常を“ハレの日”にする」というキャッチコピーの元活動を行っている彼らの演奏から生まれるたっぷりのエネルギーを浴びて、お腹の一番深いところから感情が動きまくっていくのが分かる。理由はよく分からないけど、なぜか嬉し涙が溢れてきてしまうようなパフォーマンスだ。

今年のボロフェスタは、マスクを着用していれば声出しがOKというルールが適用された。それを受けRibet townsのメンバーは「ボロフェスター!」とお客さんたちにコール&レスポンスを促していく。こんなにも心がホッとするコール&レスポンスはいつぶりか分からないくらい久しぶりのことだった。asayoは「マスクはしてるけどまたこうやって一緒の空間を楽しめてるのが嬉しい!」と満面の笑みを浮かべながら話す。3年ぶりのボロフェスタ出演にメンバー全員が幸せそうで、見に来てくれたお客さんたちのおかげで「生きてるわと思える」と語った。

ラストには「ハートに火をつけて」を披露。3年前の私たちの音楽が、私たちの居場所が戻ってきたんだ、と確かにそう思うことができた。これまでも私たちの日々の生活の原動力となってきたライヴやフェス。晴れた明るいお昼に似合う素敵な音楽を奏でてくれたRibet townsは、まるで復活したボロフェスタをお祝いしてくれているようだった。

Photo by コマツトシオ
Text by 風希